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「歩きスマホ」問題が根本解決するかも XR業界人が「AI×ARグラス」に注目する理由

こんにちは!株式会社ビーライズ、代表の波多間です。
昨年、シリコンバレーの Meta 本社を訪れた際に Ray‑Ban Meta Smart Glasses を購入しました。
英語は得意ではありませんが、AI を「身にまとう」体験を通じて、スマートフォンを手にしない日――あるいは、その形が劇的に変わる未来――をリアルに想像できました。さらに近頃の AI の進化速度はすさまじく、私たちの生活は今まさに書き換えられようとしています。
弊社ビーライズが主力としてきた XR も、この AI との掛け合わせによって大きな変革を迎えると確信しています。
本記事はその第一弾として、Ray‑Ban Meta に見る “ながら操作” の可能性を整理してみました。
また今回はARグラスについて、その可能性に焦点を当てて解説していきます。ARグラスの主な機能やスマートグラスとの違いなど、基本情報についてはこちらの記事をご覧ください!
目次
1. レイバンメタ 200 万本突破――「メガネ型デバイス」がついに量産フェーズへ

メタ社公式ページより引用
2023 年 10 月に発売された Ray‑Ban Meta Smart Glasses は、2025 年 2 月時点で 累計 200 万本 を販売しました。販売元の EssilorLuxottica は年産 1,000 万本体制を準備中と公表しており、ウェアラブル市場が “ガジェット好きのもの” から 大量生産フェーズ に移りつつあることを示しています。
なぜメガネという形状が多くの人に受け入れられたのでしょうか?──それは「常時装着」という UX を、日常生活にほぼ違和感なく溶け込ませられるからです。視界をふさがず、重さも 50 g 前後。かつてスマートウォッチが「時刻を見る動作」を利用して浸透したのと同じく、メガネは「視界を通す」という無意識の動作に寄り添えるのです。
2. AI の爆発的進化がもたらす “自然言語インターフェース”
同じタイミングで、AI はテキスト・音声・画像・映像を統合的に理解するマルチモーダルへと拡張しました。最新モデルは、人間の発声をほぼリアルタイムで処理し、平均 0.3 秒台で応答します。これは対面会話と遜色のない速度です。
入力コストは ほぼゼロ、思考スピードで命令できる。
もはや「キーボードを叩く」「画面を探す」といった動作そのものがロスになります。AI が常駐する世界では、ひと言の音声、あるいは視線や簡単な指の動きだけで、複雑なタスクを調整・実行できるようになるのです。
3. PC とスマホは “立ち止まらせるデバイス” になるかもしれない
デジタル操作の歴史は、
時代 | 主要デバイス | 主な入力 | 主な出力 |
1980〜 | デスクトップ | キーボード & マウス | CRT/LCD モニタ |
2010〜 | スマートフォン | タッチパネル | モバイルディスプレイ |
2025〜 | ウェアラブル (XR/Audio) | 音声・視線・ジェスチャ | 視界 HUD & 空間オーディオ |
と推移してきました。PC やスマホは “2D 画面をのぞく” ために 必ず視線を外し、手を止める 動作が付きまといます。
「AI が会話 UI を提供し、メガネ型デバイスが情報を視界に重ねてくれることで、わざわざポケットやバッグから端末を取り出す必要すらなくなる」――そんな未来も想像できますね。
4. 「ながら操作」がやっと現実になる
ジョギングしながらルート変更、両手が油で汚れたまま料理の手順を確認、倉庫で箱を抱えたまま在庫を照会…… これらのシーンは “ながら” のニーズが強い一方、従来デバイスでは実現が難しかった領域です。ウェアラブル(装着できる)デバイスが常時装着型に発展し、AI が曖昧な命令を解釈してくれることで、ようやく実用ラインに乗り始めました。
ARグラスはこう使える!
移動ナビ
目的地を音声で尋ねれば、視界に矢印が浮かび、骨伝導スピーカーが方向をそっと告げる。
現場作業
部品のバーコードを“見るだけ”でマニュアルがポップアップ、進捗報告は音声で完了。
語学学習
街中の標識に視線を合わせれば、翻訳字幕が重ねて表示される。
このような具体例を見ると、痒いところに手が届くような技術であるというイメージが湧きます。
5. ウェアラブルが不可欠な 3 つの理由
ここまで見てきたように、ウェアラブルデバイスは、単なる“便利なガジェット”の域を超え、私たちの日常や仕事のスタイルそのものを変え始めています。
では、なぜこれほどまでにウェアラブルが重要なのか?
本格普及に向けて押さえておきたい「不可欠な3つの理由」を整理してみましょう。
ハンズフリー・アイズフリー
手も視線も奪わず、リアルとデジタルを重ね合わせる唯一のフォームファクター。
パーソナルかつプライベート
スピーカーは耳元、ディスプレイは自分の視界だけ。情報のパーソナライズが高密度で可能。
センサーフュージョン
カメラ、IMU、マイク、環境センサを同時活用し、AI が文脈を高精度で推定できる。
こうして見ると、ウェアラブルはただ便利なだけでなく、「手もふさがず、視線も奪わず、自分だけの情報体験」をそっと支えてくれる存在になりつつあります。
デバイスを意識することなく、リアルとデジタルが自然に重なり合う、そんな新しい暮らし方が、すぐそこまで来ています。
6. どうなる、ウェアラブルとAIの関係性
業界アナリストは 2028 年までに XR ヘッドセット出荷台数が 2,000 万台超に拡大すると予測しています。ハードの軽量化・低価格化が進むにつれ、ソフトウェア側には「触れない UI」を前提とした設計思想、いわゆる “ポストタップ” デザイン が求められます。
私たちは今、クリックやタップに替わる新たな“当たり前”が形づくられる瞬間に立ち会っています。ウェアラブルと AI が結びつくことで、デジタルは“見るもの”から“そこに在るもの”へ。デバイスを意識させないインターフェースが、日常と仕事の境界を再構築していくでしょう。
みなさんは、ポケットからスマホを取り出し続ける未来と、声をひとこと交わすだけで答えが返ってくる未来、どちらを選びますか?
AI とウェアラブルが共進化するこれからの時代、私たちはデバイスに縛られず、真に“ながら”で生きることができるかもしれません。
弊社ではARグラスの販売も行っております。検討段階のご相談から承りますので、お問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。
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- 株式会社ビーライズは、「デジタルで明日を変えよう」をビジョンにかかげ、XR領域でバーチャルワールド活用サービスを提供するテクノロジーカンパニーです。リアルな3DCGとアプリケーション・web開発、アイデアを組み合わせた最先端ソリューション開発を強みとしています。