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【独自解説】現代人の想像力と空間把握力は落ちている?XR企業の社長が糸口を探ってみた

こんにちは!株式会社ビーライズ代表の 波多間 です。
突然ですが、ご自身の想像力ってどれくらいあるか意識したことはあるでしょうか?インターネットが発達した今では、頭や足を動かすよりも、手元のデバイスで調べた方が早く正確そうな情報が手に入るので、「実はあまり使っていないかも」という方も多いのではないでしょうか。
ちなみに自分で言うのもなんですが、想像力にはちょっと自信があります(笑)。地図や景色を眺めるのが好きで、あの山の向こうにはどんな集落があるのか、道路や鉄道はどこを通っているのか……つい妄想が止まりません。最近も御茶ノ水の 東京水道歴史館 で江戸から現代までの上水道の歴史を学んできて、頭の中に水道インフラの3D マップが広がりました。
前置きはこの辺にして、ふと周りを見渡すと、「今の社会って、想像力と空間把握力が落ちてない?」 という疑問が湧いてきます。
近頃は働き方改革やパワハラなどに敏感で、教える側が弱い立場に置かれている事が多いと思います。また、人間の“動物本能”としての森や川で遊ぶ体験が減り、危険回避能力=想像力を育む場が失われつつある気がします。さらに、毎日 SNS などの 2 次・3 次情報(直接体験していない)、そして映像やテキストといった 2D 情報ばかりに触れている…このままだと人間の想像力は大きく低下するのではないか…そんな気がしています。
実際どうなのか? 最新の研究や統計をかき集めてみると、けっこうゾッとする数字が出てきました……。
(ちなみに想像力と創造力は似て非なるものですが、能力が下がっているのではという視点ではどちらも危惧しているためここでは同列に扱いますのでご了承ください!)
目次
①創造力そのものが下がっている – データで見る“Creativity Crisis”
まずはTorrance Test of Creative Thinking(TTCT)という創造的思考を測定するためのテストを見てみましょう。 TTCTの大規模データを解析すると、1990 年以降スコアが右肩下がり。特に幼児〜小学生で急落しています。(nesacenter.org)
また「fMRI研究」という“MRIのもたらす構造情報の上に、脳の機能活動がどの部位で起きたかを画像化する”研究では、スマホ依存が高い人ほど、創造課題中の前頭前野と側頭葉の結合が弱く、アイデア生成量も減るという結果も。(nature.com)
さらにテキサス大の実験では、机の上にスマホがあるだけで注意力と作業成績が下がる ことが判明。スマホは“触っていなくても”脳のリソースを奪うそうです。(news.utexas.edu)
→ICT そのものが悪いわけではなく、“受け身で情報を浴びるだけ”の時間が増えるほど、脳をフル回転させる機会が失われてしまう。
②空間ナビゲーション能力はどうか? – GPS 依存と海馬の関係
ロンドンタクシー運転手を対象とした研究によると、地図暗記訓練で右後部海馬が肥大することが MRI で確認されています。鍛えれば伸びる証拠。(pnas.org)
逆に UCL の実験では、仮想市街地を GPS 指示だけで歩いた参加者は海馬と前頭前野の活動がほぼ停止。自力ナビ時には活性化したようです。(nature.com)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) が運営する医療機関であるUCLA Healthも、“GPS の使いすぎは海馬に悪影響” と警鐘を鳴らしています。(uclahealth.org)
→便利なナビは“脳内 GPS”をサボらせる。空間を「感じて」「想像する」回路がオフライン化してしまう。
③実務への波及 – 医療・安全分野で起きていること
診察スキル低下
医学教育レビューでは「フィジカル診察の教授時間が減り、学生の技能低下が顕著」との報告が。多忙な医療現場で教育を行うため、臨床的な教育からオンライン教育へ移行したことが原因だと考えられます。(pmc.ncbi.nlm.nih.gov)
労働災害の質が改善しない
厚生労働省による調査によると、2023年日本の労災死者は過去最少でしたが、4日以上の休業に繋がったケースを含めた死傷者は 135,371 人と3年連続増加しています。ヒューマンエラー型災害が依然として高水準であることが表れていますね。(mhlw.go.jp)
→「現場で瞬時に状況を思い描く」「危険を予測する」といった基本能力の低下が、じわじわ社会コストを押し上げている。
解決のカギは“XR × 自然体験”のハイブリッド
▶ XR で 安全に“危険”を体験
- 高所作業、災害現場、手術室など、リアルではリスクが高い環境を没入型シミュレーションで再現。
- 失敗やヒヤリハットを仮想空間で経験させ、脳に“実体験として”刻み込む。
▶ 自然で 五感をブートキャンプ
- VR で地形を学んだ後、実際の山へ――“バーチャル予習→リアル実践” が空間認識を加速。
- 森や川でのフィールドワークを通じ、温度・湿度・音・匂いなどセンサリーデータを総動員して学びを定着。
▶ デジタルデトックスを制度化
- 企業研修や学校行事に「スマホ OFF & ナビ禁止」セッションを設定。
- まず“自分の頭で想像するクセ”を取り戻す。
まとめ
- 創造力も空間把握力も「使わなければ衰える」
- XR 技術は“安全な実体験”を量産できる 最強のツール。
- 同時に、リアルな自然体験で五感を鍛えることが欠かせない。
デジタルと自然体験、その両輪で“人間らしい想像力”のアップデートが必要ですね!
みなさんはどう思われたでしょうか?
端的に言えばスマホばっかり、画面ばっかり見てちゃダメだよ! というシンプルなメッセージです(笑)。
人間はそもそも、危険を回避しながら進化してきた動物。ところが現代社会では、わざわざ危険を冒すのは現実的ではありません。だからこそ、
1.自然で遊ぶこと(本物の五感刺激)
2. XRで補完すること(3次元空間の中で学び、空間コンピューティングの補助を受ける)
この二本立てがベストバランスだと考えています。
ビーライズでは、こうした発想を形にする XR 教育システム を開発・提供しています。「うちの研修でも使えそう?」「もっと詳しく聞きたい!」などなど、いつでもお気軽にご相談ください!
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