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バーチャルオンリー株主総会とは?データ活用でメリット倍増の可能性も解説

目次
バーチャルオンリー株主総会、拡大の兆し
新型コロナウイルスの流行を受け2021年から特例で認められていた「バーチャルオンリー株主総会」ですが、追い風が吹いているようです。2025年2月10日、バーチャルオンリー株主総会を開催する要件の緩和が含まれた会社法の改正が法制審議会に諮問されました。政府の審査と法相・経済産業相の承認が必要な現在よりも開催のハードルが下がることにより、新しい株主総会の形として定着する可能性があります。
バーチャルオンリー株主総会とは
バーチャルオンリー株主総会は、物理的な会場を設けず、完全にオンラインで行われる株主総会の形式です。この形式は、2021年6月に施行された改正産業競争力強化法に基づき、特定の条件を満たす上場企業に限り認められています。
・上場会社であること
・経済産業省令および法務省令で定める要件に該当すること
・定款にバーチャルオンリー株主総会を開催できる旨を定めること
・招集決定時に省令要件を充足すること
現状はこちらの4点を満たす企業がバーチャル株主総会を開催することができます。
利点と課題
バーチャルオンリー株主総会は、コストの削減や参加者の利便性向上などのメリットがあります。物理的な会場を用意する必要がないため、会場費や運営費が削減できます。また、地理的な制約がなくなるので、株主がインターネットを通じて簡単に参加できる環境が整います。
一方で、株主の質問権が制限される可能性を考慮しなければなりません。多くの企業が事前に質問を受け付ける形式を採用しているため、株主が直接質問をする機会が減り、重要な質問が無視されるリスクがあります。また、通信障害が発生した場合の法的リスクや、運営の複雑さも問題視されています。さらに、IT機器に馴染みのない株主への配慮も欠かせません。
課題の克服
質問の機会を確保
メタバースはWEB会議システムよりも対面時に近いコミュニケーションを取ることができ、双方向的な交流が発生しやすい空間です。また、会場の設営もカスタマイズできるので、リアルタイムで質問を受け付けるチャットを設けることもできます。質問に対して同意するリアクションも併せて受け付け、何人の株主が関心を抱いている質問なのか明らかにすることで、企業と株主の双方がより関心の高い質問を把握することもでき、株主からの満足度も期待できます。
参加環境への配慮
メタバースの中には、GoogleやYahooなどのブラウザから入ることができるものもあります。ホームページを見るような気軽さで参加できるメタバースを導入することで、使用機器やネット環境のハードルが下がります。
運営の負担を軽減
バーチャルオンリーの形式をとると、会場設営や誘導のための人手を省くことができます。当日に必要な人員が減るため、人件費の削減や業務の効率化といった面で大きなメリットになります。
またメタバース上で作った会場は、次回以降の株主総会でも引き続き活用することができるため、今後の会場設営・撤去の手間も省けるというメリットもあります。
実施後に活きる活用術
実は、メタバースで開催する株主総会には“終わった後”こそ真価が現れるという視点があります。リアル会場では把握しきれなかった「誰が」「いつ」「どこで」「何に興味を示したか」といった行動データが、メタバース空間ではすべて記録できます。
たとえば、特定の議題に反応が集中した瞬間や、質問に「いいね」が多く集まった箇所を抽出すれば、株主の関心トピックが一目瞭然に。これをAIで分析すれば、議案ごとの関心度や説明の理解度まで可視化できるようになります。
さらに、株主個人の行動ログをもとに、関心のありそうなトピックや資料をカスタマイズして案内することも可能に。まるで“IRのパーソナルトレーナー”のようなフォローアップが実現します。
また、参加案内の開封率や当日の出入り履歴などを分析することで、「あと一歩で参加してくれそうだった人」へのアプローチ方法を見直すヒントも得られます。
【もっと詳しく!目的別活用術】
個人株主との関係構築を重視する場合
限られた株主の声を丁寧に拾い、次回の総会参加や長期保有につなげていくことが信頼構築に直結します。株主の「ファン化」や企業価値の向上にも効果的です。
IR戦略を積極的に展開したい場合
株主の関心トピックやエンゲージメント度合いを可視化することが、企業姿勢や取り組みの伝え方を磨くヒントになります。
株主の声を製品開発や経営に反映したい場合
メタバース上で寄せられた意見や質問、反応の傾向を分析することで、「どんな問いに価値があるのか」「どんな説明に共感が集まるのか」といったリアルなインサイトが得られます。
メタバース上で得られる膨大なデータは、単なる技術的な副産物ではなく、株主との信頼関係を深め、IR戦略や経営判断にも活かせる“使える知見”へと進化します。
弊社でも現在、デジタル空間上で収集したデータをAIの導入で応用する取り組みを行っています。
デジタルツインを活用したデータ収集に関してはこちらの記事をご覧ください。 (弊社ホームページ内記事へ遷移します)
遊ぶだけじゃないメタバース、導入事例をご紹介
弊社では自治体様と連携して、メタバース上で県内企業の紹介や地域活性化の場づくりを行っています。
こちらの「やまぐちメタワールド」は山口県内の魅力や企業の紹介を県内の小学生に周知することができるメタバースです。教育現場でも、普段授業などで使っているPCやタブレットから入場してご活用いただいております。「メタバース」というワードが知られるようになった最近では、娯楽の空間としてのイメージが強いかもしれませんが、リアルな世界で届けることができる情報量と、バーチャルの世界だからこそ実現する広く公平な情報提供が同時に叶う場として活用されています。
導入背景や機能はこちら(弊社ホームページ内記事へ遷移します)
ご相談承ります
株主総会は開催しなければいけないものだからこそ、せっかく実施するなら、機会もデータも存分に活かしたいですよね。情報の見える化から、“次につながる総会運営”へ。メタバースとAIで一歩踏み込んだ取組みに挑戦しませんか。
以下のページでは、バーチャルイベント事業の事例やお問い合わせの流れなどをご提示しています。フォーマルな雰囲気に合ったメタバース空間の設計や、重視したい機能の追加など、ご要望に沿ったご提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください!
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